モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

本の紹介

「二百年の子供」

ちょうど10年前に読売新聞に連載されていたもの。大江さん唯一のファンタジーだそうです。(実家にあった本) 大江さんの3人の子どもがモデルと思われる兄妹がタイムマシンで過去と未来に行く物語。10代向けだそうですが、50代の私は電車の中で泣きそうにな…

「新しい人 新しい言葉」木下裕也

日本キリスト改革派教会月刊誌「リジョイス」に昨年連載中から、本になったらいいのに…と思っていましたが、本になりました! 日本の人口に占めるキリスト者の比率からすると、キリスト者詩人の割合はかなり高い(「まえがき」より)のだそうです。ここに12…

「涙とともに見上げるとき」

聴講している「牧会ケア」(今期のテーマはグリーフケア)で参考図書として勧められた本です。哲学、神学などを専門にする大学教諭である著者は山の事故で長男を亡くしている。長男は25歳だった。--------- 地上での肉体の終わり。それは、どうすることもで…

アブラハムの生涯

実家にあった本。教会学校でちょうどアブラハムのお話をしていることもあって。いつの頃からか教会学校のお話の準備していて迷うというか、これでいいのか…と思ってしまうこと。聖書物語の要所要所の有名なお話を飛び飛びでいく流れで、私の子どもの頃もそう…

「グリーフケア」の学び

神戸改革派神学校、2学期「牧会ケア」の教科書。聴講もできます。講師は福西裕子先生(カルヴァン神学校・教育ミニストリー修士)。私は昨年度3学期(ステファン先生)と今年度1学期を聴講しましたが学ぶことの多い本当に良い授業でした。対面のみですが、…

壁に残された伝言

実家にあった2003年の本。新品未読のままだった。 NHK広島のディレクターが8/6の特番のために取材したことをまとめている。広島市内の小学校の建替え工事で発見された「伝言」。それは原爆資料館にある「『被爆の伝言』写真」の原物だった。20年前にかなり話…

「影の現象学」

私は「私の影」の写真をよく撮っているが、その影のことなのか。『人間にとって影とは不思議なものである。それは光のあるところに必ず存在する。私の影は常に私と共にあり、ときに大きく、ときに小さく、あるいは濃淡の度合いを変化させながら、まぎれもな…

夢、影、

私は夢(夜見る夢)をよく見る方かもしれない。中学の時、見た夢があまりに面白く、必死で母に話していたら「人が見た夢の話ほど面白くないものはない」と言われたことがある。これは私の夢が面白くなかったのではなく、私の話し方(夢の説明)が面白くなか…

「死の淵より」

窪寺俊之先生の本のことでしばらくぶりに高見順の詩を読みたくなった。この詩集を買うだけ買って読んでいなかったことを思い出したのだ。私は学生時代、学校の図書館にあった高見順全集で彼の詩を知り、好きな作品をノートに書き留めたりしていたが、そのま…

「スピリチュアルケアと教会」窪寺俊之

今週カベナンター書店で本を購入したら、ことば社の「いのちのことば」4.5月号を下さった。パラパラ読んでいたら、窪寺俊之先生が書評を書いているのを発見。窪寺先生…思い起こせばコロナ前年(2019)に、改革派神学校の特別講義でお会いしたのだった。そし…

「牧会ってなんだ?」

※クリスチャンの方向けです。 実家にあった2008年の本。教会を取り巻く状況には変化があるので、「牧会」ということについても変わるところがあるのか、それとも根本的にはずっと同じなのか、私にはわからないですが。えー!!っていうほどの内容があった訳…

「梯子」木下裕也

著者は日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師。木下先生が詩人であるのは知っていたが作品を読んだのは初めて。 「梯子」「貯水溝」…『物』から見取る言葉。たまたま昨夜カウンセリングの学びで、実際にカウンセラー役をやってみるという実習をした。そこで私…

向田邦子の恋文②

写真の左側は向田邦子が亡くなって2年後に出版された本の文庫版である。私はこれを見たとき、向田さんの若い頃の写真に驚いた。まるで女優かモデルのような美しさなのだ。ポーズまでして。確かに向田さんは元々美人だとは思うけれど。それにしても、これは…

向田邦子の恋文①

実家に向田邦子全集(選集?)があり、学生時代エッセイが好きで読んでいた。ほとんど忘れてしまったが、ひとつ覚えているのは、「買った喪服を早く着たいと思った」という話。向田邦子はとてもおしゃれで、若い頃は黒い服ばかり着ていたそうだ。その頃、上…

高見順「闘病日記」②

✿一人の作家が一生のうち書く量はどのくらいのものなのか。高見順のそれは圧倒的なのではないか。食道癌を患い、死に向かって衰えていく一方の中で、病室のベッドでこれだけの日記を書くとは。パソコンも無い時代、どれだけのエネルギーが要っただろう。高見…

高見順「闘病日記」①

✿学生時代、先輩に勧められて初めて高見順を読んだ。小説「胸より胸に」。今やあらすじさえ覚えていない有り様だが、ただ、この高見順という人には「悲しみ」が関係していると思った…ことだけは覚えている。小説は他に2つ読んだだけだったが、大学の図書館…

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」

本の紹介です。 2015年に出て話題になった本だそうです。 専門は美学・現代アートですが、元々は生物学者を目指していた著者が、実際見えない人とのインタビューでの言葉を交えつつ、視覚障害者がどんなふうに世界を認識しているかを書いています。 著者には…

影に対して

★影好き人間としては読まざるを得ないだろう。 本のタイトルになっている「影に対して」は、昨年発見された未発表の小説。他、既に発表されているものと合わせた短編集だ。 遠藤周作さんの信仰と作品には、育った家庭環境と母親との関係が大きく影響している…