モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

いざ来ませ、新しい歌よ

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神戸松蔭女子学院大学チャペル

2021年モゴローのThe best of 贅沢!
11/27(土)神戸松蔭チャペルでのバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートに行ってきました。

教会ではクリスマスの4週間前から待降節アドヴェント)と呼ばれる時を過します。教会の暦ではここから1年が始まります。今年は11/28(日)からですね。
待降節に奏でられるコラールと言えば
「いざ来ませ、異邦の民の救い主」
(Nun komm, der Heiden Heiland)
それずくしのコンサートでした。
宗教改革者ルターの作詞作曲ですが、元々ラテン語で歌われていた讃美歌をルターがドイツ語に翻訳して、そしてその旋律を少し変えているのは、言葉の意味に合わせたルターの深い信仰があったとパンフレットに書かれています。

聞いたことがあったのは、元々知っていた1曲目と予習していた最後の曲だけです。(写真のプログラムをご覧ください)
1曲目(BWV599)はバッハが弟子のオルガン教育のために書いた「オルガン小曲集」より。教会で奏楽をしたりオルガンを習っている人にはお馴染みの曲だと思います。何とも言えず暗いような心細いような、それは十字架のために生まれるイエス様を暗示しているようでもあり、しかし、その中でほのかな灯りが静かに、そして確実に近づいてくるような、そんなふうに聞こえました。

私が最も心に残ったのは4曲目(BWV225)のモテット、
「歌え、主に向かい新しい歌を」
(Singet dem Herrn ein neues Lied)です。
モテット?いくつかの声部がハモったり追っかっこしたりして何十にも重なって聞こえる合唱曲のことみたいです。これは8声部。
この曲は3部からなりますが、出だしの第1部はとにかく躍動感溢れていました。ドイツ語なんて全くわかりませんが、最初の「Singet」だけは聞き取れ、それが何度も何度も幾重にも重なって出てきます。日本語の「歌え」というのと違って、すぱっと真っ直ぐ突き抜けるような、その度に心が一段上に引き上げられるような、そんな響きにドキドキしてしまいました。
旧約聖書詩篇149の1~3節が最初の歌詞になっています。
1節は、
Singet dem Herrn ein neues Lied,
die Gemeine der Heiligensollen ihn loben.
歌え、主に向かい新しい歌を、
信徒らの篤き集いは、主を讃えよ。
(パンフレットの訳より)

家に帰ってから「新しい歌」ってどういう歌のことを言うのだろうと思いました。
色んな解釈があるそうですが、私はコロナ禍でみんなが集えないこと、口を開けて声を出して賛美できずにいることを思いました。
集って、集いの中で歌えと言われている。
やっぱり神様の民は集わなきゃ。集って歌うのだ。
集うこと歌うことを禁じられる、躊躇させられる。
そんな中で、本当の意味で、
集って歌うことができるなら、
それが私達にとっての「新しい歌」なのじゃないかと思いました。

アンコール曲は鈴木優人さんが15年前に「いざ来ませ…」から作ったという曲でした。前日東京公演に行った東京の友達によると、東京ではアンコール曲はなかったそうです。
うぇーい!こんなことで東京と張り合うこともないのですが、…内緒だけどちょっとうれしくなったモゴローです。
ちなみに私は日本キリスト改革派教会員ですが、鈴木雅明さん、鈴木優人さんも同じ改革派教会員です。

本当に素晴らしいコンサートでした。
仕事中「10分だけスマホ触らせて」とチケット取った甲斐がありました。
(実際は何やかんや10分以上かかっちゃったのですが笑)
ぜひ機会をみつけて皆さんも行ってみてください。
料金はやや高めですが価値あり!です。

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プログラム
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チャペルの中
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ガルニエ工房のオルガン

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コンサートが終わって