モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

混ざり合う気持ち

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 少し前、近くに住む母から「教会に置いてある聖書と讃美歌を持って帰ってほしい」と言われました。母は心の病を患い、近年は足の痛みもあって外出はほぼできません。教会へはかれこれ8年くらい行ってないです。行ってないと言うか、行けないでいます。その前も比較的調子の良い時に行っては長期に休むという繰り返しでした。
 教会に教会用の聖書と讃美歌を置いている人は多いと思います。うちの教会には専用棚があります。母はそれを持って帰ってほしいと言ってきたわけです。理由は「もう教会へは行けないから」、です。
 こういう時、皆さんならどうしますかね…。私はちょっと迷いました。「そんなこと言わないで。また行けるようになるよ。だから置いておこうよ。」、そう言った方がいいのかな。うーん。迷ったのですが母に頼まれたように持って帰ってきました。母からすれば、このまま置いたままになるのが気になると思ったからです。気になる、というのもわかるからです。

 先ほど母の日のお花と一緒に持って行きました。
 聖書には皆さんそれぞれ書込みがあったり、色んな栞を挟んだりしていますね。それを見ると、その人となりがわかるような面もありますよね。持って帰ってきた母の聖書。見ていいかどうだろう…と思いつつ見ました(笑)。自宅用ではなく、ほとんど行けない教会用なので書込みはほぼなかったのですが、裏表紙に多分この聖書を買った日と名前が書いてあり、それは父の筆跡でした。そして、下に母の字で聖句が書いてあったのですが、なんと!今日の礼拝メッセージと同じ箇所だったという。びっくり~。こんなことあるのですね。
 「また行けるときがあるかもしれないよ」と私が言ったら、「日頃のお母さんを知らないからそんなことが言えるのよ」と言われました。確かに…、近くに住んではいますが同居しているわけではありません。きっと色んなことがあるのでしょう。
 ま、こうして話せたのだからよかったと思います。
 行けるかもしれないし行けないかもしれない。もう無理かな…とも思うし、希望も残しておきたい。両方の気持ちが混ざり合っている。そんな母の日でした。