モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

まりも伝説

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昨夜パソコンを開いたら、ネットニュースで「阿寒湖のマリモが大量に打ち上げられる」が目に入った。
え、まりもが。

 「まりも」の思い出、それは中学2年の時同じクラスだったM島くんだ。風変わりで面白い男子だった。女子とも話しが合って、私も時々お喋りしていた。そのM島くんはなぜかやたらと「まりも」を口にしていた。「歌うまりも天地真理」なんて言うのだが(天地真理がわかるギリギリ世代です…)、何のことかさっぱりわからなかった。当時私はマリモの存在を知らなかった。年賀状が来たが、宛名は「モゴローまりもへ」だった。差出人の彼の名前にもまりもが付いていた。
 意味不明のまま私はまりもへの憧れを抱き始めたのだが、それはM島くん自身に惹きつけられていたからだと思う。M島くんは小学生の時にお父さんを亡くしていた。お姉さんが2人いたと思う。私とは別の小学校だったM島くんが自ら語ってくれたことだった。M島くんは「その時に、これからは笑って生きようと決めた」と言っていたと思う。なーんにも考えずに中2まで生きていた私には、小学生で生き方を決めたというM島くんが妙に眩しかった。その後、高校の時同窓会的なもので一度会った。私が自分の書いた文章を渡したら、「400字詰め原稿用紙1枚に感想を書いて送る」と言ってくれたがそのままだ。感想聞きたかったな…。

 マリモは「藻」で細長く、それが絡み合って丸くなるが、丸くなったものがマリモではなく、藻自体がマリモだそうだ。今回、打ち上げられたのは大雨の影響とのこと。

 私は大学の時に北海道旅行で阿寒湖に行き、ついに憧れのマリモに会った。阿寒湖のマリモがあんなにデカくなるのには何百年もかかるとか。遊覧船では「マリモの歌」が流れていた。もの悲しい旋律が心に残り、近年はYouTubeでたまに聞く。今夜も久しぶりに聞いてしまった。

 M島くんがなぜ、まりも、まりもと言っていたのか、今でも謎だし、そして、M島くんはどうしているかなと思う。笑って生きているかな。だといいなぁ。

写真は北海道旅行のアルバムです。笑