モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

視能訓練士ネタ

「見える」ということ その三

光の通り道が守られ、それを心が受けとめ、そして「言い表す」ことで「見える」ことが完成するのではないか。そうは言ったものの、例えば赤ちゃんは言い表せないし、病気や障がいで言い表すことが苦手だったり難しかったりする人もいる。前回話したように、…

「見える」ということ その二

前回、光の通り道が守られ、最後に「見ている」ことを心で受けとめることができて「見える」ことが完成するのではないかと話した。では、その人が「見えているか見えていないか」はどうやってわかるのだろうか。視力検査でわかるじゃないか?そう思う人は多…

「見える」ということ その一

2021年に「『見える』ということ」というタイトルで4回投稿しました。中途半端に終わっていたのが気になっていたのですが、今年になってあるところで書き直す機会がありました。そこでの文章を3回に分けて掲載します。写真はこの夏の「ベランダの日々草」で…

レンブラント「放蕩息子の帰還」⑤

前回から半年以上経ってしまいました。 ヘンリ・ナウエンの「放蕩息子の帰郷」(あめんどう)の続きです。ナウエンはレンブランドの絵から膨大な黙想をしているわけですが、その中で、父の「盲目」という点に大きく注目しています。視能訓練士の私がこの絵の…

レンブラント「放蕩息子の帰還」④

レンブラントの「放蕩息子の帰還」の続きです。このレンブラントの絵が表紙になっているヘンリ・ナウエンの「放蕩息子の帰郷」。かれこれ15年くらい前に教会の婦人会で読みました。ヘンリ・ナウエンはカトリック司祭で、大学でも教え、晩年は知的ハンディを…

レンブラント「放蕩息子の帰還」③

前回、斜視の手術適応なのに放っておかれている人がいると言いました。え、それで大丈夫なのかと思うかもしれませんが心配しないで下さい。斜視は眼疾患の中でも「機能面」の疾患・障がいになるのだと思います。人の目玉は片眼6つの筋肉によって動いていま…

レンブラント「放蕩息子の帰還」②

続きです。「廃用性外斜視」の話に戻ります。 右目と左目の視線が同じ方に向いていない状態を「斜視」と言います。片眼の視線が外向きになっているのを「外斜視」、内向きになっているのを「内斜視」と言います。上下もあります。 「間歇性外斜視」と言って…

レンブラント「放蕩息子の帰還」①

前回、レンブラントの「放蕩息子の帰還」のお父さんが廃用性外斜視ではないかという話をしました。 クリスチャンでない方も読んで下さっていると思いますので簡単に説明します。 この絵は新約聖書にあるイエス様の『たとえ話』のひとつ、その中でも有名な「…

カバーテスト

少し前に「モディリアーニ展」に行ったことを書きました。モディリアーニの作品の大半は肖像画で、長い顔と首、そして瞳のない目が特徴的です。…と、読んでくれた友達から「視能訓練士として瞳のない肖像画ってどう思うの?」と聞かれました。え…。うーん。…

「見える」ということ④

(教会の帰り。春のような日だった。) 前回、眼科検査は自覚応答で結果を得るものが多く、代表的な視力検査も、患者さんに答えてもらうことで成立する検査であることをお話ししました。そして、「見える」とは、心で受けとめることができた後、更にそれを「…

110番通報!

(1週間前。帰り道。) 質問に答える吾の目をじっと見るその瞳こそ君の質問前回、病院で問診をとる側の話をしましたが、今日は逆に質問される側のお話です。110番通報をしたことはありますか。私は2回あります。7年前が初めてでした。ある夜仕事から帰っ…

白浜温泉から始まる物語

(2021/1/30 また手袋落ちてる。…本文とは関係ありません。) 始まりの記憶をいつも語り出すそれを奪うは君を奪うこと 病院に行くと、初診時や前回から間が空いた時には「問診」をとられますよね。 「問診票」に記入し、そして、その問診票を元に、看護師さ…

「見える」ということ③

(2019.11月 新幹線新大阪駅。まだしばらく遠出は無理かな…。本文とは関係ありません。) 前回、ざっくり「見える仕組みに」についてお話しました。 光の通り道が守られて、最後は「見ている」ことを、心で受けとめることができて「見える」ことが完成するの…

「見える」ということ②

(今日12:31 。仕事はお昼まで、さあ帰ろう。…本文とは関係ありません。) 視能訓練士ネタ2回目です。人間の「見える」仕組みについてざっくりお話します。 「見る」「見える」と言えば、まずは「目」です。 目はカメラに例えられることが多いです。角膜や…

「見える」ということ

( 私の影…2020.6月 本文とは関係ありません笑) 私は昨日仕事納めでした。やれやれ、終わった終わった~。さすがに昨日は患者さんが少なかったです。 私は「視能訓練士」という職業に就いています。ご存知の方はほぼいないと思いますが、医療系の国家資格な…