モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

ケーテ・コルヴィッツ「マリアとエリサベト」②



①の続きを書こうとしたところで突如ある疑問が…。
 この絵(デッサン)、どっちがマリアでどっちがエリサベトなのだろうか。私は左がエリサベトだと思っていた。左の女性の方がお腹が大きい。この時、エリサベトの方がお腹は大きかったはず。そして、顔も老けて私には見えたのだ。

 ところが、ネット上で調べると、ケーテ・コルヴィッツにはあと2作品、デッサンと版画で同じテーマがあることがわかり、その2作品は大きなお腹を撫でられている女性の顔が幼く可愛く見え、それはマリアであろう。そして、このテーマで描かれている昔の絵画を見ると、マリアの方がお腹が大きいものが多く、また、左側がマリアというのも多い気がする。大きなお腹にエリサベトが手を当てているというのが当時の伝統的構図のようだ。

 
 これらのことを考え合わせてからデッサンを見ると、右側の女性は頬骨が特徴的で、頬がこけているとも言える。それに比べて、左の女性は頬がふっくらして肌に張りがあるように感じられ、左の女性の方が若いのだと思えてきた。伝統的にマリアのお腹に手をおいているのがエリサベトだとすると、左側がマリアで右がエリサベトなのだ。 
 友達が、版画は彫ったものを刷るため左右が逆になるのではないかと知らせてくれた。後から知ったケーテの2作品は、構図からするとデッサンと版画がセットに見える。
 
 私は、手に入れた画集のデッサン「マリアとエリサベト」の二人を逆に見立てて見ていたのだった。
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ケーテ・コルヴィッツ「マリアとエリサベト」① - モゴローなんちゃって日記
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