モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

新しい人になるほかない

 恥ずかしい話だが読んだのはこれだけである。実家からパチってきたのだった。
 大江さんのお父さんが亡くなった時に、お母さんが「取り返しがつかない」と言っていた…という話、それだけを覚えていて、今日見ると「取り返しのつかないことは(子どもには)ない」というタイトルの章だった。
 当時、私の通う教会の牧師は袴田康裕先生(神戸改革派神学校教授)だったが、メッセージの中で『「新しい人」の方へ』の話をしていた。文章の引用だったのかどうか、説教自体まるで覚えていないのだが、袴田先生が神学書以外の本の話をメッセージの中で語ることは珍しかったので印象に残っている。
 折り目をつけて線を引いているところが1箇所あり、約20年前の私はここが気になったようだ。「ウソをつかない力」の章。 
 うちの教会には「9条の会」に入っている人が多い。いや、みな天に召されていき、いまや少ないけれど、コロナ前にある人が言っていた。講演会をしても集う人が少なくなってしまい、小さな会場を借りるようになったと。
 今日パラパラと見ていて目に留ったのは、「大水のなかで、屋根から屋根へ飛び移った女の子が判断したことなのだ、それは正しいだろう」というところと、「話す時に、しっかり読点と句点をつけて、区切りながら話す人は、話している相手に、正直に、勇気をもって、自分を示すことのできる人」というところだ。
 以前読んだ時は、大江ゆかりさんの挿絵をちゃんと見ていなかったのだが、どれも素晴らしい。