モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

映画「福田村事件」

 こういう、こういう…なんて言い方してはいけないと思いますが、暴力や殺戮の場面があると予想される映画は見ないようにしてきました。見るとしばらく心が不安定になることがあるからです。映画という作り物なのに見ることができないなんて。現実も見ないつもりなの?と思いますが、これについては、見ても見なくても、自分はどちらを選択するのかを自分で考えることができればいいのだと思います。今回は、それでも見ないといけないように思って行ってきました。

 事件は関東大震災5日後の23年9月6日、福田村の利根川河畔で、香川から来た行商団15人のうち幼児や妊婦を含む9人が、福田村と隣の田中村(現柏市)の自警団に惨殺された。震災直後から「朝鮮人が略奪や放火をした」といった流言飛語が飛び交うなか、聞き慣れない香川の方言を話す一行が朝鮮人と決めつけられ、警察官に「日本人だ」と言われても納得しない自警団に襲われた。遺体は利根川に流されたという。(ネット上にあったもの)

 内容については検索するとたくさん出てくるので見て下さい。
 映画の作りとしては、要らないエピソードもあったし、若い女性記者が出てくるのですが、彼女だけあまりに混ざり気がなくて浮いて感じたりなどありましたが、そんなことはどうでもいいくらい中身のしっかりした映画でした。

 行商人(日本人)が「日本人なのか朝鮮人なのか」、それが命を分けることになるのですが、「じゃあ、朝鮮人なら殺していいのか」と行商人は言うのです。この言葉を行商人が言ったのは脚色だと思いますが、この言葉に尽きる。事件は、実際、ほんの短い時間の間に一気に起こったそうです。あっと言う間の出来事です。
 見終わって何も言えなかった。私がしたことは、家に帰って娘にこの事件のことと映画の感想を伝えたこと。歴史を、自分たちがしてきたことをちゃんと見て知るしかない。

 すぐに終わってしまう映画が多い中、健闘していると思います。こういう映画が作られて、観ようと思う人が多くいることは良かった。とは言え、そろそろ終映近いようです。あと1週間くらいかも。まだの方はぜひ観て下さい。
 映画『福田村事件』公式サイト (fukudamura1923.jp) 

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