モゴローなんちゃって日記

      フォト短歌、影、心に浮ぶ言葉たち。

足を洗う

イェスさまも洗ってくれたねそうだよねだから私も洗うんだよねぇ
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 最近、母の足を洗うことがある。在宅介護での半年、ショートステイでお風呂に入っているし、訪看さんに清拭もしてもらってるし、…と実はしてこなかった。ふと、昔ホームヘルパーの勉強をした時、ベッドの上で足だけでもお湯に浸して洗うと気持ちいいですよ、足が無理なら手だけでも、と習ったことを思い出す。写真を撮ろうと思ったのは金たらいが珍しかったから。味わいがあるよね。
 母は「イエス様も洗ってくれたね」といつも言う。「そうだね」と私。「イエス様はどんな気持ちだったと思う?」「さあ」。
 確かに、洗うとなると服が濡れる可能性があるので上着を脱いだのはわかる気がする。私も袖まくり。それにしても食事の最中に洗うとは。足って、当時は裸足で草履だろうからかなり汚かったろう。娘の保育所は靴下無しで靴を履くことになっていたので、そりゃもう臭いのなんの。そんなことも思い出す。そして、母の足からも垢がいっぱい出てきた。もっと洗ってあげていればよかったねぇ。考えてみると屈む必要があるので足は洗いにくいし、手に比べるとそう清潔を目指さなくてもいい。私も体の中で一番汚れが残っているかもしれない。
 足を洗うとなるとこちらは跪くことになる。見上げると母の顔が近い。横並びなのとは違って視線が降りかかってくるようだ。あなたから一番遠い足を私の目の前に置きます。イエス様は指の間も洗ったのだろうか。私はしっかり指と指の間を洗い、しっかり拭いて、たっぷり保湿剤を塗った。
◆十字架にかかる前の「最後の晩餐」のときに、イエス・キリストは弟子の足を洗ったという記事が聖書には書かれています。
『食事の席から立ちあがって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。』ヨハネによる福音書より